スポーツ障害とスポーツ外傷について

■スポーツ障害■
スポーツ障害とは、スポーツによって繰り返される過度の負担が積み重なって、痛みを主とした症状が生じた状態です。軽いものは運動時の痛みですが、重症になると日常生活にも困難を伴うようになります。

疲労骨折

骨の同じ場所に繰り返し加わる小さな力によって、骨の組織の連続性が断たれ、不完全または完全に骨折してしまう状態のことを言います。
主に脛骨、腓骨、中足骨等の下肢の骨や肋骨に発生しやすく通常の骨折に比べて運動時に激しい痛みを感じ、休んでいる時は痛みが軽いという特徴があります。
明確な外傷がないのに運動中に激しい痛みがある場合は注意しましょう。見た目では強い圧痛、腫脹、発赤、熱感があります。基本的に原因となる練習量を減らして負担の軽いリハビリをする事により回復していきます。

ランナー膝

腸脛靭帯炎、膝蓋軟骨軟化症、鵞足炎からなり長距離ランナーに多くみられます。膝を曲げたりしゃがんだり階段の昇り降りの際に膝の上や裏側に痛みが走ります。
様々な症状があり膝の上や裏側に激痛や運動痛、圧痛、腫脹(場合によってはハムストリングスに沿ってソーセージ状に腫れる事もあります)、熱感等がありハムストリングスをストレッチすると痛みが強くなります。他には腸脛靭帯を強く圧迫し膝を屈伸させると痛みが出ます。
痛みに対しては練習後のアイシングが有効でストレッチも十分に行ってください。予防法としては大腿四頭筋の強化や足に合った靴選び(インソールなど)が有効的です。ただしあまりに痛みが激しく続いて日常生活に支障が出る場合(階段の昇り降りなど)は行っている練習は休んで「RICE処置」をしましょう。

筋痙攣

筋肉の疲れ、ウォーミングアップ不足やクールダウン不足、発汗によるミネラル不足が原因となって、筋肉に痛みと痙攣を引き起こします。

野球肘

骨や筋が未発達な子供に多く、練習のやりすぎや変化球を多く投げることに起因します。
肘の曲げ伸ばしや強く物を握った時の肘関節の内側上顆部に痛みが感じられます。運動後のアイシングと前腕筋のストレッチをする事により徐々に軽くなっていきます。また最近ではエルボーバンドもあるので運動中に装着して負担を軽くするのも有効です。

テニス肘(バックハンドテニス肘、上腕骨外側上顆炎)

テニスなどのスポーツで前腕の伸筋腱群の使いすぎによって、肘の外側上顆部に炎症を起こしたものです。手関節の底背屈(上げ下げ)運動や肘を動かした際に肘関節の外側上顆に痛みを感じます。
野球肘と同じで運動後のアイシングと前腕筋のストレッチ、エルボーバンドの装着が有効的です。

■スポーツ外傷■
スポーツ外傷とは、大きな力が一回加わることによって急に生じるものです。つまりスポーツ中に生じるケガのことです。

突き指

スポーツ全般で多く発生しますが、特に野球、バレーボール、バスケットボール球技種目に多く、中指、薬指での受傷が多いです。重症なものになると靭帯が付着している骨がはく離骨折してしまう場合もあり、マレットフィンガーが有名です。

肉離れ

筋肉を包む筋膜や筋肉の繊維が部分的に伸びたり切れたりした状態のことをいい、ウォーミングアップ不足や筋肉が疲れている状態のときに起こりやすいです。

むち打ち

強い外力によって首を支えている筋肉が炎症を起こしてしまうもので、首の捻挫と考えてもらっていいです。

打撲

転倒して打ったり、物と強くぶつかったりしたことによる皮膚や軟部組織(筋肉)の損傷のことを言います。

骨折

大きな外力によって骨が折れ、痛みや出血を伴う状態を言います。
大きく分けて2種類あり皮膚の中で折れているものを閉鎖性骨折、皮膚が開いてしまっているものを開放性骨折といいます。後者は感染の危険があるので注意してください。